外部形態

ナマコの外部形態(a - 触手、b – 肛門、c - 腹部の管足、d - 疣足)
水槽の壁を這うアデヤカキンコ。腹側に走行する3列の歩帯が明瞭である

多くは細長い芋虫型で、腹と背の区別がある。前端に口、後端には肛門がある。ナマコの体表は主にコラーゲンから成る厚い体壁に覆われている。体壁は柔軟で、伸縮性に富む。表面はクチクラに覆われ、内側には環状筋と5列の縦走筋があり、これらを使って呼吸や運動を行う。体重の90%以上は水分である。深海の浮遊性ナマコは寒天質の体をしており、重量を減らすことで浮力を得ているとみられる。

ヒトデと違ってわかりづらいが、ナマコの体も棘皮動物に共通する五放射相称の構造となっている。ナマコの腹には中央とその両側に歩帯管足が並ぶ)があり、背側には左右両端に歩帯(管足が変形した疣足が並ぶ)がある。すなわち、全身は放射状に並んだ5つの歩帯から構成されている。腹側の管足は移動に使われ、先端が吸盤となっている。無足目と隠足目のナマコは管足を持たず、蠕動運動によって移動する。板足目のナマコは多くが深海性で、一部には太く大きな管足を持つ種類がいる。

触手が発達した樹手目のナマコ、Cucumaria miniata

口周辺には管足が変形した触手が輪状に配列し、餌の摂取や、種によっては移動にも使われる。触手は他の管足よりはるかに大きく、先端は種によってさまざまな形に枝分かれしている。触手は口に引っ込めることも可能で、本数は5の倍数であることがほとんどである。

ナマコは骨格を持たないが、体壁の内部に石灰質の骨片が無数に散らばっている。骨片は肉眼で確認できる大きさのものもあるが、大部分は顕微鏡サイズで、微小骨片(spicule)と言われる。骨片の形は穴の空いた平板型、車輪状、カギ型、錨型などさまざまで、分類上の形質としても使われる。

ナマコの体壁は真皮と筋肉から成り、水分の含有量が高い。体壁はその硬さを大きく変化させることができる。硬質ゴムのように硬くもなり、つかんだ指の間から流れそうなほど柔らかくなることもある。柔らかくなって岩の隙間にもぐりこみ、そこで硬くなって天敵や波に引き出されないようにするなど、ナマコはこの性質を防御に利用していると考えられている。